サロンオーダーにおける「似合う」

今回はサロン営業中に度々感じる「似合う」に関しての小さな違和感について書いていきたいと思います。

 

その違和感とは何かというとお客様側の「似合う」と美容師側の「似合う」にズレを感じるのです。

特に新規のお客様やご来店サイクルの長いお客様に多い様に感じるのですが

カウンセリングの時に「先生の腕見込んで私に似合う様にして」*1「似合う感じでお願いします」*1や「ええ感じで」*1

など中々なオーダーを頂く事がります。あるいは「前髪短いと似合わないから前髪長めで」*2 や「私ロングとミディアムは似合うけどショートは似合わないの」*2 などと言ったケースも。

しかもこの様なオーダーだと失敗する確率が上がってしまうかもですね。

 

ではそれぞれの「似合う」を少し紐解いてみましょう。

 

美容師側の「似合う」もしくは「に合わせる」はいろんな情報を加味してそれぞれ美容師が

お客様のレングスやフォルムを決めてデザインしていきます。

いろんな情報とは例えば

 

・ライフスタイル

・ファッション

・好みの著名人

・お客様が気になるウイークポイント

・日々行なっているヘアケア

・手ぐしの入れ方

・骨格

・顔のパーツバランス

・髪質

・癖の形状

 

等々。ザッと書き上げましたがこれ以上の情報を元にお客様に似合う様にデザインしていきます。

なので*1ケースなどは情報が不足し過ぎて似合わせるどころではないのです。

それに新規のサロンならその美容師の好みや得意なスタイリングなども分からないのではないでしょうか?

この*1ケースでオーダーすると失敗しそうですよね。何せ何も分からずに髪をカットして行くわけですからね。

それからレングスで言えばショート・ミディアム・ロングのどのレングスにも「似合う」存在すると考えます。

*2のケースの場合は美容師を混乱させる余分な情報となってしまいます。後で書きますがこういう情報は伝え方を変えると

有効な情報に変化するのでその点を少しだけ気にすると良いと思います。

 

 

 

お客様側の「似合う」は何時ぞや馴染みの美容師や友達や生活する中で近しい人に「似合ってる」と言われた事があるヘアスタイルが

お客様の「似合う」と思っているヘアスタイルになる事が多い様です。その場合ご自身も評判のいいそのスタイルを「似合っている」

と認識する様です。この場合「サロン変えたけど今までのスタイル気に入ってるのであまり変えたくない」時のオーダーには良いと思います。

それにこの場合「近しい人に似合っている」+「自身も気に入っている」場合は可能な限り気に入った状態で自撮りしておきましょう。

するとオーダーもスムーズですし凄く有力な情報となります。

 

次に「気分を変えたい」からくるヘアスタイルチェンジの場合、目的のレングスやフォルム・カラーなど自分の思い描くイメージを追いかけ

Webや雑誌などに掲載されているヘアースタイル画像を検索すると思います。

そして目当てのスタイルを決めてサロンに持ってきて頂くわけですがここで誤差が生じるのです。一生懸命探しに探して見つけたそのスタイルは美容師がスタイルをデザインする要素を無視してお客様のイメージの中でほぼ「似合って」しまっているんですね。もちろんお客様も「顔も毛質も違うから・・・」と仰るのですが憧れてしまったスタイルになりたい意欲が湧くのです。このあたりでもうお気づきかも知れませんがそれは「似合う」ではなくて「好き」あるいは「好み」なヘアデザイン」になっているのです。

それを踏まえ*2のケースの場合を言い換えると

 

「前髪短いと似合わないから前髪長めで」→「前髪短いのは好きじゃないので長めに」 

 

 「私ロングとミディアムは似合うけどショートは似合わないの」→「ショートは好きじゃないのでミディアムかロングで」

 

と置き換えると「混乱させる余分な情報」「お客様の好み」という大切な情報に変わり美容師側もそれに対してダイレクトに

アドバイスや提案をしやすくなります。なんとなくですがオーダーの成功率が上がる気がしますよね?

 

あくまでもここで書いたことはWebで探したお気に入りの画像は役立たずというわけではなく上手く伝わる伝え方のコツと解釈していただけたなら嬉しいという事です。初めて行くサロンかどうかは関係なくオーダーする際は少しでも情報が多い方が美容師はご希望に近づけて行く参考になるのでお客様の気に入った画像などを見せて頂くのはお互いにとって大いに良いと思います。